5期目の“皇帝”プーチンの焦燥…盟友ショイグ国防相更迭、体制一新の背後に習近平の影
「彼は『一帯一路』の窓口を担ってきたため、中国側とはある程度通じている。プーチン氏は5期目初の外遊として今月中に訪中する予定で、欧米に劣る軍需産業への支援を期待しています。そうでなければ軍事のド素人をトップには据えません。安全保障会議は大統領の直属機関ではありますが、専属の官僚もいなければ、予算もつかない。メドベージェフ前大統領が副議長であることからも分かるように、姥捨て山のようなもの。退任したパトルシェフ前書記はKGB時代のプーチンの上司だったため、物申せたに過ぎない。次世代のリーダー候補に推す長男のドミトリー・パトルシェフ前農相を第1副首相に押し込めたので大満足でしょう」
ロシアを潤わせてきた国営のガスプロムは、欧米主導の経済制裁のあおりで24年ぶりの赤字に転落。所有不動産の叩き売りを始めるほどピンチに陥っている。軍需産業の最先端化に突破口を見いだすほかないというわけだ。
「国防相人事に対する制服組や前線の兵士らの反発は否めない。プーチン氏は愛国心をたきつけますが、その実は売国奴。自分が生き残るためには手段を選びません」(中村逸郎氏)
何もかもが中国頼みでは、プーチンの落日はそう遠くなさそうだ。