トップを「エラい」と勘違いさせる周りの媚びへつらいが自己正当化とパワハラの元凶だ
彼は温和な人間でパワハラ体質はないが、委員会では我々委員が全員テーブルにつき、それから知事が呼ばれる。知事の歩いてくる経路の箇所箇所に職員が立ち、「知事がいらっしゃいました」「知事がいらっしゃいました」と伝言していき、委員会の部屋に「いらっしゃいました」と通され、本人は「はい」と鷹揚に応えて席に着く。まるで「お殿様のおなーりー」状態だ。
黒岩氏が悪いのではない、本人は知らないのだ。しかし毎回こうされていたら、自然とそれが当たり前になる。「私はエラい」と勘違いする人間も出てくるだろう。
この、職員の、とくに幹部職員の媚びへつらい体質が、トップを勘違いさせ権力を振りかざす地盤をつくる。
これは東京都知事も同じである。議会や記者会見における小池氏の立ち居振る舞いはまさに女帝のそれだ。
関東大震災で虐殺された朝鮮人慰霊の文をなぜ出さないかと問われ、「震災の被害に遭われた皆さまへは慰霊しております」と答え「震災の被害と虐殺とは違う」と言うと、虐殺には多くの証言が残っており国会議事録にも記載があるのにもかかわらず「さまざまな研究がある」と答える。「虐殺はなかったという研究があるということか」と聞くと、笑顔で「さまざまな研究があるということです」と答えた。
「答えになってません」と記者に叫んで欲しかった。女帝の笑みに「しつこいぞ。もう聞くな」という威圧を感じ背筋が凍った。