著者のコラム一覧
室井佑月作家

1970年、青森県生まれ。銀座ホステス、モデル、レースクイーンなどを経て97年に作家デビュー。TBS系「ひるおび!」木曜レギュラーほか各局の情報番組に出演中。著書に「ママの神様」(講談社)、「ラブ ファイアー」(集英社文庫)など。

なにが正解かは、未だによくわからない。

公開日: 更新日:

 と述べて問題となったことを。当時、あたしは、国の副総理が、なんて冷たいことをいうのだ、と憤った。きっと、今でもおなじような発言を聞けば、嫌な気分になるだろう。

 ただ自分のことにして考えると、ちょっと違う。自分のごくごく身近な人についてもだ。

 あたしは父と何度も相談をし、亡くなった母の延命治療はしなかった。医者に勧められたが、胃瘻なども施さなかった。

 母はもう意思の疎通もできなかった。寝たきり生活がたたったのか、その姿もあたしや父が知っている美しい彼女ではなかった。なにより彼女に病院は似合わなかった。早くそこから出してあげたかった。

 が、それはあたしと父がその時そう思っただけである。なにが正解かは、未だによくわからない。

 正解がわからないからこそ、まだそれで良かったのかたびたび思い出し悩んでしまう。この件に関して、麻生さんのような軽口はいけない。ただ、真剣に話し合われて欲しいとは思う。

【連載】室井佑月の「嗚呼、仰ってますが。」

■関連キーワード

最新の政治・社会記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    巨人今季3度目の同一カード3連敗…次第に強まる二岡ヘッドへの風当たり

  2. 2

    西武激震!「松井監督休養、渡辺GM現場復帰」の舞台裏 開幕前から両者には“亀裂”が生じていた

  3. 3

    渡辺徹さんの死は美談ばかりではなかった…妻・郁恵さんを苦しめた「不倫と牛飲馬食」

  4. 4

    与野党一騎打ち「自公落選危機」は23人!裏金、旧統一教会、高市推しが「凶」に【一覧あり】

  5. 5

    悠仁さまの筑波大付属高での成績は? 進学塾に寄せられた情報を総合すると…

  1. 6

    日本ハム新庄監督「このまま退団」なら…球団、選手、コーチはドン引き&大ヒンシュクだ

  2. 7

    阪神藤川監督の就任会見「言語明瞭、意味不明瞭」だった“特殊事情”…虎ファンが感じた心の揺れ

  3. 8

    巨人・岡本和真「メジャー断念」に現実味…“元エースと4番”の同時流出はあり得ない?

  4. 9

    元ジャニーズひかる一平さんが語る 事務所退所後の苦労と性加害問題について思うこと

  5. 10

    巨人阿部派コーチ全員集合で…辞める?配置転換?二岡ヘッドの処遇が宙ぶらりん