代表選手に容赦ないブーイング…日本がブラジルに学ぶこと
スタジアムの「異様」な雰囲気はテレビからも十分に伝わってきた。
9日(日本時間)に行われたW杯準決勝のブラジル―ドイツ戦。地元ブラジルはまさかの7失点でボロ負け。
熱狂的なセレソン(ブラジル代表の愛称)サポーターは、前半30分までの5失点に激怒。後半に入ると、ブラジル選手がボールを持つと激しいブーイングが湧き起こり、敵のドイツがブラジルのエリアに攻め込むと「オーレ」「オーレ」と歓声をあげた。
取材で2度、ブラジルの地を踏んでいるサッカーライターの小室功氏がこう語る。
「ブラジル人にとってサッカーは、生きる喜び、人生そのもの。国際試合に負ければ長期間仕事が手につかないという人もいる。サッカーに懸ける思いは日本人には理解できないものがある。今大会のブラジルは64年ぶりの地元開催。前回は決勝でウルグアイに逆転負けした『マラカナンの悲劇』があった時です。今回はその舞台となったリオのスタジアムで優勝することが国民の願いだった。その夢が破れ、しかも予想外の失点です。代表に対する熱い思いや期待が大きかっただけに、選手たちに対する怒りが試合中のブーイングになったのでしょう」