奔放さも美しさも消え…観客からも見放されたセレソン

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【日刊ゲンダイ本紙コラム「王国インサイドリポート」】

 1-7が両国の力の差を正しく映し出しているとは思わない。ただ、確かなのは、この大会を通じてドイツ代表がブラジル代表をサッカーの質で上回っていたことだ――。

 もともとブラジルには、歯を食いしばって最後まで勝負を諦めないという選手は多くない。94年アメリカW杯でキャプテンだったドゥンガは、自らの役割を話してくれたことがある。

「試合が始まると、監督から授けられたゲームプラン、戦術が頭から消えてしまう選手がいるんだ。彼らに戦術を思い出させること。劣勢になったとき、浮足立つ選手たちに正気を取り戻させること」

 ブラジルでは試合前に皆で集まり、神に祈りを捧げてから入場する。手をつないだり、前の選手の肩に手を乗せて入場する姿はチームのまとまりを大切にするようにも見えるが、仲間と一体感を持つことで心の弱さを補うためともいえる。また、94年大会からセレソンは心理学の専門家をチームに帯同させている。精神的なもろさは、ブラジルの裏側に張り付いた欠陥である。

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