開幕戦は旧型を手に 宮里藍を“パット下手”にした父親の評判
すがるモノはそれしかない。
米女子ゴルフツアーの今季開幕戦、コーツ選手権が28日に初日を迎える。米ツアー10年目の宮里藍(29)にとって今年は正念場だ。昨季は賞金ランク86位で初めて賞金シードを失った。優勝争いどころか、ベスト10入りも皆無だった。
厳しいシーズンを送った最大の要因はパットだ。ロレックスランク1位の朴仁妃など、多くのツアー仲間がお手本としていたパッティングに悩み続け、70センチ前後のパットを外しまくった。パット下手は数字を見ても明らかだ。10年の平均パット数28.67は部門別ランク3位。パーオン時の平均パット数1.730は同1位。11年もそれぞれ29.07(4位)、1.779(2位)。それが昨季は、31.75(117位)に1.887(122位)だった。
宮里が心酔するコーチのピア・ニールソンやリン・マリオットは、基本的にパッティングは教えない。グリーン上は父である優氏だけが頼りだ。あるツアー記者が言う。
「パッティングを教える優さんは適切な助言ができず、宮里は今も悩んでいる。ここまでひどい状態はプロになって初めてです。優さんはアドレスやグリップ、ストロークのリズムなど、目に見える部分はチェックできても、感性の部分に関してまでは助言できない。ヘッドの両サイドに角が生えているようなパターから、10年ぐらい前に使っていたという古いタイプの2ボールパターにして開幕戦に臨むことになったのは、道具を替えるしか手がないのでしょう。それにしても、藍も今年6月で30歳です。今の女子プロは若いうちに開花するが、しおれるのも早い。パッティングのフィーリングがしっくりこないのは、トッププロとしては寿命がきたのかもしれません」
旧型パターで解決できる問題ではないようだ。