日大三はケーキ反省会…甲子園の名将悩ます今どき若者気質
「宇和島東、済美で指揮を執っていた故・上甲正典監督(享年67)は『本当は練習で100%の力を出させて仕上げないと、試合なんて出来ない。でも、今の子はうまいんだよ。手を抜いて70%の力でやられると、自分でも見抜けない』と話していましたね。上甲監督は選手を飽きさせないように、練習メニューをいろいろと工夫していたアイデアマン。しかし、宇和島東を指揮していた当時(77~01年)には、そうした工夫はしていないはず。済美で今の若者気質に合わせたのではないか」
選手に合わせるため、自身のキャラクター自体を変えたのが日大三の小倉全由監督(57)だ。現在は試合中にミスをした選手を怒らず、それどころか監督室に呼んで一緒にケーキを食べながら反省会を行っているという。
しかし、01年夏に全国制覇した当時のある部員は「今の子はずるい」と、苦笑いして言う。
「僕らがユニホームを着ていた頃の小倉監督とは雲泥の差ですよ。昔の小倉監督はとにかく怖かった。あの人は『仁義なき戦い』の大ファン。興奮するのか、映画を見た翌日はよく広島弁を飛ばしていましたよ。僕らが泥だらけになってもノックの球を飛ばし続けて、途中でへばろうものなら『何しとんじゃワレぇ! まだタマぁ残っとるんじゃあ!』で、次々に打球が飛んできた。それが今じゃ一緒にケーキですか……」
高校野球でも、古いタイプの人間は生きにくい時代になった。