県岐阜商・高橋にもスカウト辛口 今センバツは“凶作”の大会
「ドラフト候補? 県岐阜商の高橋がいるじゃないか。アイツはいいぞ。ダルビッシュ(現レンジャーズ)や田中(現ヤンキース)クラスの逸材だぞ」
パ球団のベテランスカウトがあくびをかみ殺しながらこう言うと、前の席に座っていた他球団のスカウトが振り返って「口からデマカセばっかり」と、大笑いする。
県岐阜商の右腕・高橋純平(183センチ、76キロ)が評判を独占しているセンバツ甲子園。スポーツ紙は「12球団絶賛」「安楽以上」「大谷級」とかまびすしい。しかし、冒頭のベテランスカウトは「確かに好投手ではあるけど……」と、こう続ける。
「いきなり一軍という投手ではないものの、直球の威力、スライダーのキレは評価できる。気になったのが三回に速球から変化球中心に投球スタイルを変えた初戦の松商戦。本人は『力んで制球がバラバラになった』と話していた。もし、力んで常に制球が乱れるようならば評価は下がる。肩は柔らかく腕の振りもいいけど、どうも上体に頼っているフシもある」
別の東海地区担当スカウトは「投球フォームがロッテの内竜也(03年ドラ1、川崎工高)に似ているのが気になる。内も素材は一級品だったが、力任せのフォームで肩、ヒジ、足と故障のオンパレードだった」と言う。