打撃絶好調の38歳福留 黙々バット振る姿に「阪神の鑑」の声
38歳のベテランが絶好調だ。首位をキープする阪神の福留は、ここ3カード(9試合)で、29打数11安打(打率.379)、2本塁打、9打点。3年契約の3年目ということで、「契約更新を狙って必死のアピール」との声も聞かれるが、和田監督の評価はすこぶる高いという。あるOBが言う。
「ちゃらんぽらんな西岡とは対照的。不調になっても、ファームに落とされても常に目的をもって練習しているから、一切手抜きをしない。若い選手の手本になっている。和田監督は疲労度を考えながらスタメンを外すことはあっても、先発で使えばゲーム後半になってもベンチに下げることはない。福留より守りがうまい外野手はいないからね。西岡のようにペラペラしゃべらないけど、鳥谷と同じように、『男は黙って実行』というタイプ。本当に福留の悪い話は聞こえてこない。堅実な電鉄向きの選手、阪神の鑑だな。しかも、夏場にこれぐらい打てば球団も『契約切れです。さようなら』とはいかないだろう。逆に今オフは、『来季も阪神にいてください』と頭を下げることになるんじゃないか」
昨年は開幕直後に飛球を追って西岡と激突。肋骨と鎖骨を痛め、肺挫傷も抱えながらプレーしていたという。6月には打撃不振で二軍に落とされたが、黙々とバットを振るベテランの姿に、当時の古屋英夫二軍チーフ兼打撃コーチ(現二軍監督)も驚いていた。
昨年のCSでは21打数7安打、2本塁打と大活躍。日本シリーズ進出の立役者になった。セの首位争いは、まだ先が見えないが、福留のバットが湿ってくると、球団創設80年の優勝に赤信号がともる。