東京五輪追加種目 「若者へのアピール」に透ける組織委の思惑
これらの騒動で組織委の株は急落。新国立競技場をめぐるゴタゴタではさすがにIOCのバッハ会長も「早く解決しろ」と苦言を呈したほどだ。
東京五輪へ向けて二転三転を繰り返すお粗末な対応は、今や世界の笑いものだからこそ、五輪には不向きでも、IOCが喜ぶ競技を自ら追加種目の候補として選んだのではないか。
■落選したボウリングは協会会長が激怒
スポーツジャーナリストの谷口源太郎氏は「破れかぶれにしか見えません」と、こう続ける。
「野球・ソフトと空手は別にして、残る3競技からは『東京五輪はこんな大会にしたい』という理念は何も見えません。確かに若者のスポーツ離れはIOCの抱える問題です。組織委は『IOCがそう言っていることだし、若者に人気のある競技を選びました』ということでしょう。一応、それらしい理屈を説明したものの、外された競技からすれば納得できないでしょうね」
実際、「若者人気」という点で落選した全日本ボウリング協会の武部会長は28日の会見で激怒。「他の競技に比べて若者の数は圧倒的に多い! 若い人に失礼だ!」とまくし立てた。