“いいとこ取り”ローテなのに…田中13勝目ならずPSに不安
復帰白星とはならなかった。
右太ももの張りで戦列を離れていたヤンキース・田中将大(26)が30日(日本時間1日)のレッドソックス戦に登板。5回を1本塁打含む5安打4失点で降板。自身の13勝目(7敗)はならず、チームに通算1万勝目ももたらせなかった。
立ち上がりから制球が甘く、一回は2死一、二塁から5番ショーに甘く入った変化球を右翼スタンドに運ばれ、3点を先制された。9月18日のメッツ戦以来となるマウンドは制球が定まらない場面も目立ち、苦しい投球を強いられた。6日に予定されるワイルドカードゲームでの登板に不安を残した。
チームのプレーオフ進出に加えて、伝統ある名門球団の節目の勝利を託されたのは、エースとして位置付けられているからに他ならない。が、“いいとこ取り”の印象は否定できない。田中は6日のワイルドカードゲームにも登板予定だが、今季の田中は2度の離脱を強いられた上に、大半は中5日と余裕を持ってのマウンドだったからだ。
メジャーでは、チームのポストシーズン進出やリーグ優勝に貢献した選手が評価される傾向にある。強豪チームであれば、なおさらその傾向は強く、実際にヤンキースではロジャー・クレメンス、アンディ・ペティットといった歴代のエース級は、オールスター以降から尻上がりに調子を上げるタイプだった。長丁場であるレギュラーシーズンの序盤から全力疾走するよりも、終盤に働いた方がチームへの貢献度が高いと考えられているからだ。