イチローと異例の「早期再契約」交わしたマーリンズの懐事情
「次の準備、オフの気の持ちようや過ごし方も含めて、こんなに早い段階で決まったことは(いろんな意味で)大きく違う」
マーリンズと1年200万ドル(約2億4000万円)で契約延長したイチロー(41)がうれしそうに話した。
4日のレギュラーシーズン終了からわずか2日。マーリンズが今月の22日に42回目の誕生日を迎えるベテラン外野手と再契約を交わしたのは異例のことだ。メジャーのオフの補強は、大物FA選手や日本など海外の選手の獲得が優先される。イチローのような控え野手の契約がまとまるのは年明けになるのが一般的で、選手によっては2月のキャンプ直前までずれ込むケースもある。
マーリンズは集客などビジネス面でもイチローをアテにしているのは当然としても、異例の早期契約は低予算で運営するチーム事情とも無関係ではない。イチローとの交渉が長引き、他球団との争奪戦に発展すれば条件がつり上がる可能性があるからだ。
今季のイチローは打率2割2分9厘と自己最低打率に終わったとはいえ、守っては強肩を発揮して5捕殺、走っては11盗塁をマーク。守備力、機動力は健在であることを証明した。
マーリンズの今季の年俸総額は30球団中29位の5283万6900ドル(約63億4000万円)。来季でメジャー16年目を迎えるイチローが早々と働き場を確保できたのは、球団の渋チンぶりが幸いしたようだ。