楽天・嶋 「移籍の迷い」を断ち切った星野副会長からの電話
嶋が星野監督の下でプレーをしたのは、11年からの4年間。13年には球団初のリーグ優勝、日本一の歓喜を分かち合いました。それだけに特別な存在のようです。
「星野監督の1、2年目は特に怒られた記憶しかありません。監督の目に逃げるような配球と映った時は、『なんでインコースに行かんのや!』と雷を落とされました」
そんな“師弟関係”に変化が生じたのは、優勝した星野監督の3年目。この年、4月を終えた時点で11勝14敗と借金が先行すると、5月に星野監督から「嶋、ちょっと来い」と監督室に呼び出されたといいます。恐る恐るドアを開けるや、「明日からおまえが全部のミーティングをやれ」と言われたそうです。
「それから毎日、早くに球場に行ってまずスコアラーさんからデータをもらい、自分なりに分析して、バッテリーだけではなく野手のミーティングもやりました。その成果だとはまったく思っていませんが、優勝した直後にあの時と同じように監督に呼ばれたんです。ドアを開けると、『ようやった!』と初めてホメてもらい、時計をプレゼントしていただきました。あれは忘れられません」