八角理事長が号令 ついに始まった相撲協会“大掃除”の標的
■議論をすり替えた2人の理事
そんな八角理事長の不信感をさらに増幅させる事件が、実は昨年12月18日、協会内の理事会後に起きていた。
理事会では11月の九州場所中に急逝した北の湖前理事長の後任に八角理事長を選出。八角理事長を除く理事11人による採決を行い、6対5で辛くも理事長就任が信任されたかのように報じられている。スポーツ紙もこぞって「八角新理事長 波乱の船出」と書きたてた。
宗像外部理事や神山監事らは理事会後、「満場一致ではない」「代行でも権限は変わらない。いま決める必要はない」などと発言したが、「八角理事長の足を引っ張りたい裏金顧問一派の情報操作ですよ。八角理事長の理事長就任自体は満場一致でしたから」と、さる親方がこう続ける。
「理事会での採決はあくまで正式な理事長を決める必要があるかどうかであって、八角理事長の選出とはまったく別の議論だった。貴乃花親方を次期理事長に担ぎたい裏金顧問一派は既定路線を敷かれては都合が悪い。八角理事長を代行のままにしておくのがベストなので、理事5人が正式な理事長を置くことに強硬に反対した。けれども、初場所には天覧相撲もあり、陛下の横の指南役が代行ではマズいという6理事が勝り、正式な理事長を決めることになった。そこで初めてだれを理事長にするかという議論になり、互選で八角理事長に決まった。このときは貴乃花すら反対を唱えず、全会一致で八角理事長が選ばれた。なのに宗像理事と神山監事は正式な理事長を置くかどうかの採決を、さも八角理事長の信任投票だったかのごとく口外した。八角理事長が信頼されていないかのように、議論をすり替えたのです」