独での苦悩を語る山口蛍 「何かを掴みかけている段階」
ホームで開催されたW杯予選(アフガニスタン戦=3月24日、シリア戦=同29日)にMF山口蛍(25)は、初めて海外組として臨んだ。「時差ボケ? あります。普通に眠いです」と話していた山口は、先発したシリア戦で大アクシデントに遭遇した。後半10分に空中戦で競り合った際、相手選手と接触して顔面を強打。血を流しながらタンカで運ばれ、診断は「鼻篩骨」と「上顎骨」の骨折。昨年末に独ブンデスリーガ・ハノーバーに移籍し、残留争い真っただ中の本人には、あまりにもつらい現実というしかない。
ドイツでは今年1月30日に新天地デビューを果たしたが、思うような仕事ができず、苦悩していた山口をサッカージャーナリスト元川悦子氏が渡独して直撃。W杯予選時の肉声とともに山口の胸中に迫った――。
日本ではあくまで中盤のボランチが主戦場だったが、ドイツに移籍した当初は「ダイヤモンド型中盤の右MF」として起用された。しかし、本来の豊富な運動量、高いボール奪取力、前線への鋭いパス――を発揮できず、先発した2月6日のマインツ戦では、前半35分で交代の屈辱を味わった。