優しすぎる設定 よみうりCCはツアー最終戦にふさわしいか
【ゴルフ日本シリーズJTカップ】
東京よみうりカントリークラブで行う今大会は、1998年大会からパー70設定で行われており、7016ヤードに変更したのは06年大会から(12年から7023ヤード)。
ゴルフ道具の進化と共にプロの飛距離が伸びて、パー72では爆発的なスコアが出てしまうという配慮からだ。
だが、パー5の6番(541ヤード)は平均ストロークが4.233、17番(535ヤード)は4.367。楽々と2オンして確実にバーディーを計算できるやさしいホールになっているのがわかる。
日本ゴルフツアー機構の青木功会長は、「世界に通用する選手の育成の必要性が高まっている」「日本で育った選手が世界を舞台に活躍する姿を多くのゴルフファンに見ていただけるように取り組んでいく」と語っているが、こんなやさしいコース設定で、果たして世界に羽ばたく選手が出てくるというのだろうか。
評論家の早瀬利之氏がこう言う。
「コースがプロの技術レベルに対応していない。パー5は難なく2オンできるし、パー4はドライバーで飛ばしたら2打目はウエッジの距離です。そんな会場ならハーフセットでも十分に攻略できる。プロにしたら、実質、パー68の感覚でプレーしているでしょう。それは大味なプレーでしかなく、14本のクラブを駆使して選手の技を引き出すようなコースとは言えない。東京よみうりは距離を延ばすための土地がないと言っていますが、何も工夫していないだけです」
ちなみに最難関ホールは名物の18番パー3(227ヤード)で平均ストロークは3・400だ。プロは上がりホールで一番苦労するわけだ。