“ラスト侍”決定的 広島・田中の「眼力」がWBCの秘密兵器
アクシデントがなければ、正遊撃手は坂本が有力。が、田中の特徴は「ベンチでも仕事ができる男なんです」と広島のさるチーム関係者がこう続ける。
「相手投手の牽制や投球時のクセを見つけるのが特技。味方の攻撃時、並の選手なら、ボケッとベンチに座っているでしょう。でも、広輔は神経を集中させて相手の選手を凝視している。カープには他にも何人かこういう選手がいて、例えば『セット(ポジション)がああなったら走れるぞ』とか、選手同士でよく話しています。広輔は高校時代から習慣になっているみたいで、筋金入り。その辺のスコアラーより、よっぽど優秀ともっぱらです」
国際大会において田中の「眼力」は、侍ジャパンの武器になるかもしれない。
闘志あふれるプレーが持ち味。東海大相模時代、甲子園をかけた神奈川大会決勝で捕手を病院送りにした“殺人スライディング”は有名。今となっては危険なスライディングは禁止されているが、おとなしい選手が多いとされる侍ジャパンにおいて、異色のガッツマンである。