“新・山の神”柏原竜二 27歳引退は箱根の燃え尽き症候群
東洋大時代に箱根駅伝5区で4年連続区間賞を獲得、「新・山の神」と呼ばれた柏原竜二(27)が現役を引退した。3日、所属先の富士通が発表。今後は社業に専念するという。
12年4月に富士通入社後は、右アキレス腱の故障などもあって低迷。1万メートルは大学時代の自己ベストに届かず、新たに挑戦したマラソンも振るわなかった。
「柏原はもともと平地のスピードを疑問視されていた。マラソンや持久走に活路を見いだせればよかったのですが、実業団はマラソンに慎重というか、練習をあえて避ける傾向がある。それでも自力でハードな練習を続けるだけの気持ちの強さや持久力がなかったということでしょう」と、スポーツライターの武田薫氏がこう言った。
「大学時代にしっかりとした練習を積み、結果も付いてきた。以前は箱根湯本の駅前くらいまでしかいなかった沿道のファンが、柏原の活躍によって山の中まで来るようになった。どこに行っても写真を撮られるので、飲み会にも顔を出せなかったといわれるほど。そりゃ、精神面でおかしくもなりますよ。あまりに騒がれたことで、気持ちの上でも燃え尽きてしまったのかもしれません」
たいした実績を残せなかった5年の実業団時代は、すでに燃え尽きてしまっていたのだ。