びわ湖惨敗に白旗…瀬古利彦氏に問われるリーダーの資質
文句を言うだけでは何も変わらない。
8月の世界選手権代表最終選考会も兼ねた5日のびわ湖毎日マラソン。風もほとんどなく、気温も12度以下と絶好のコンディションの中、日本勢のトップはリオ五輪代表で16位に終わった佐々木悟(31)の4位。時計は2時間10分10秒と低調だった。
日本陸連の瀬古利彦長距離・マラソン強化戦略プロジェクトリーダー(60)は、あまりに遅い記録に「(絶好のコンディションで時計が遅い理由は)俺にも分からない。ショックが大きい……裏切られたような感じ」と表情を曇らせたが、これでは、「前任者」と同じではないか。
昨年のリオ五輪の男子マラソン勢が惨敗した直後、宗猛男子マラソン部長(当時)は「全体的に力不足。これが今の日本のマラソン界の現状」と白旗を揚げた。
実は宗部長は15年の世界選手権でも、藤原正和(当時34)と前田和浩(同34)が、それぞれ21位と40位に沈み、9大会ぶりに日本勢が8位入賞を逃した際も、「世界とは凄く力の差を感じた。これをどう埋めていくのか。一番は若手に期待したい」と危機感を口にしていたが、1年後のリオ五輪に間に合うはずもなく、予想通りの結果となった。