暴行事件の“当事者”横綱白鵬 「日馬富士救済」発言の笑止
「場所後に真実を話し、膿を出し切って、日馬富士関、貴ノ岩関をこの土俵に再び上げてあげたいなと思います!」
横綱白鵬(32)の発言に、満員御礼の館内は騒然となった。
26日の優勝力士インタビュー。そこで白鵬は「全国の相撲ファンに力士代表として」と前置きし、日馬富士の暴行事件を謝罪。続けて冒頭のセリフを発した。
これには協会関係者の大半は困惑することしきり。それもそのはず、白鵬だって暴行事件の現場にいた“当事者”のひとりだからだ。
いくら正義の味方のような口ぶりで語っても、日馬富士の暴行をみすみす許したのは周囲にいた力士たち――つまり、白鵬もそのひとりだ。自身は「止めた」とは話しているものの、日馬富士は警察の事情聴取に「素手とカラオケのリモコンで殴った」と証言している。白鵬がすぐさま割って入っていれば事件の行方も異なっていただろう。
そもそも、今回の一件は警察が捜査中。相撲協会も独自の調査に動いている。参考人である白鵬は事情聴取に正直に答える義務はあれど、日馬富士らをどうこうする力も権利もない。
同郷の力士に対する思いを殊勝に語ってみせた白鵬だが、インタビューの最後はなぜか、観客を巻き込み笑顔で万歳三唱。これには中継を解説していた北の富士(元横綱)も「彼らしいとは思うけど、やりすぎだな」と、あきれ返っていた。