年商120億円、当期利益6億円 “企業”としての日本相撲協会

公開日: 更新日:

「人件費」が経営を圧迫

相撲協会の収支決算(C)日刊ゲンダイ

 社員同士のいざこざで窮地に立たされている「日本相撲協会」。2014年に念願の全日本柔道連盟と同じ公益財団法人に移行した1925年設立の老舗興行団体だ。この日本相撲協会を企業として見て、経営の安定度を探ってみた。

 まず、社員数だ。11月時点の力士数は648人(うち月給をもらえる関取は70人)。親方と呼ばれる年寄が97人。さらに行司44人、呼び出し44人、床山52人、若者頭8人、世話人12人を入れて、総勢905人となっている。これが一般的に「協会員」と呼ばれる人たちだ。そのほかにも、経理や営業など一般事務を行う職員が46人(男性36人、女性10人)。合わせて951人の大所帯だ。

 16年度の売上高は前年比5億5593万円増の120億1633万円。当期経常利益は6億2600万円だ。

「プロ野球で最も規模が大きいソフトバンクホークスの売上高が約278億円、当期利益12・8億円ですから、相撲協会は約半分ほどの規模になります」(ジャーナリスト・中森勇人氏)

 では、支出の方はどうなっているのか。経常費用のうち、親方や関取らの「給与手当」が約38億円、別に幕下以下の力士に支給される「力士等奨励金」が約3・5億円、その力士を指導する部屋へ支給される「力士等養成費」が約12・2億円となっている。このほか、一般職員への給与が約5億円で、売上高人件費率は約50%に達する。

「中小企業庁データによると、相撲協会のようなサービス業の売上高人件費率は3割前後が多く、製造業は2割前後になっている。業種にもよりますが、一般的に人件費が3割を超えると経営を圧迫すると考えられます」(前出の中森氏)

 相撲協会の人件費割合は、美容室やエステサロン並みとなっている。そのため、八百長問題で3月場所を中止にした11年は、売り上げだけが減り、固定費は変わらなかったため、48億8000万円もの大赤字だった。不祥事が重なると途端に経営を圧迫する脆弱さがあるのだ。

「これに危機感を持ったのが改革派の 

この記事は有料会員限定です。
日刊ゲンダイDIGITALに有料会員登録すると続きをお読みいただけます。

(残り200文字/全文1,061文字)

メルマガ会員
0円/月(税込)
今なら無料で日刊ゲンダイDIGITALの有料会員限定記事と競馬記事をそれぞれ3本試し読みできます!
オススメ!
プレミアム
2200円/月(税込)
日刊ゲンダイDIGITALの有料会員限定記事読み放題。最新の紙面をビューアーで閲覧可。競馬出走表も予想も全部読める。会員限定オンライン講座見放題。会員限定のプレゼントも。
スタンダード
780円/月(税込)
日刊ゲンダイDIGITALの有料会員限定記事が月50本まで読める。
新聞郵送セット割
3550円/月(税込)
プレミアムプランのサービスに加えて新聞も郵送で後日お手元へ。

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    フジテレビ問題「有力な番組出演者」の石橋貴明が実名報道されて「U氏」は伏せたままの不条理

  2. 2

    元横綱白鵬「相撲協会退職報道」で露呈したスカスカの人望…現状は《同じ一門からもかばう声なし》

  3. 3

    カブス鈴木誠也が電撃移籍秒読みか…《条件付きで了承するのでは》と関係者

  4. 4

    優勝の祝儀で5000万円も タニマチに頼る“ごっつぁん体質”

  5. 5

    「白鵬米」プロデュースめぐる告発文書を入手!暴行に土下座強要、金銭まで要求の一部始終

  1. 6

    広末涼子“密着番組”を放送したフジテレビの間の悪さ…《怖いものなし》の制作姿勢に厳しい声 

  2. 7

    石橋貴明のセクハラ疑惑は「夕やけニャンニャン」時代からの筋金入り!中居正広氏との「フジ類似事案」

  3. 8

    中居正広氏《ジャニーと似てる》白髪姿で再注目!50代が20代に性加害で結婚匂わせのおぞましさ

  4. 9

    広末涼子とNHK朝ドラの奇妙な符合…高知がテーマ「あんぱん」「らんまん」放送中に騒動勃発の間の悪さ

  5. 10

    元フジ中野美奈子アナがテレビ出演で話題…"中居熱愛"イメージ払拭と政界進出の可能性