貴乃花親方も早い 現役番付で引退後の出世はこんなに違う

力士時代の番付はその後の親方としての出世競争に大きく響く。渦中の元横綱、貴乃花親方は45歳の今、相撲協会理事を務める。初当選したのは2010年で、当時38歳だった。
2003年に30歳で現役引退後、わずか5年で役員待遇委員・審判部副部長に就任。09年に、役員待遇委員・巡業部副部長・警備本部副部長にスピード出世している。
一方、貴乃花との確執がある二子山部屋の兄弟子、元関脇・安芸乃島(高田川親方)は、いまだ平の委員止まり。
低い腰の相撲で玄人好みの力士だったが、引退から14年経った50歳の今も、審判部・指導普及部の委員のままだ。親方になりたての頃はともにジャンパーを着て、防災訓練や場内警備をやっていても、力士時代の実績でこうも出世の道は違ってくる。実際、現在の理事10人中5人は大関以上だ。
一般サラリーマン社会であれば、貴乃花と安芸乃島は、取締役と課長ほどの格差ができた。相撲評論家の中澤潔氏がこう言う。
「現役時代に横綱、大関まで出世した力士は、優遇されます。最高位を極めた、あるいはその候補にまで上り詰めたわけですから、いいポストに付けるよう配慮されます。いつまでも惨めな立場にいると、『元横綱なのにこんな目に遭うのか』と周囲に示しがつかないからです」
■理事長選は経歴より派閥争いがモノをいう
サラリーマンなら誰しも感じていることだが、出身大学によってゲタを履かせてもらえるのと同じだ。だが、出世コースの貴乃花が安泰とは限らない。来年3月には理事長選が行われるが、候補になるのは相撲界の“東大出”ばかり。力士出身の歴代理事長も12人中9人が元横綱だ。だから勝負は、過去の栄光より派閥争いが左右するという。
「理事までは元横綱や大関は出世コースに乗れますが、理事長となると話は別です。
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