意外な二足のわらじ アテネ柔道銀メダリスト泉浩さんは今
柔道を始めたのは小学2年。すぐに頭角を現し、小学校卒業後は古賀稔彦や吉田秀彦ら日本柔道界を代表する名選手を輩出した都内・世田谷の名門柔道私塾「講道学舎」(2015年3月閉塾)に入門。6年間、寮生活を送りながら柔道に打ち込んだ。
「そりゃ、最初は寂しかったですよ。言葉はもちろん、習慣も価値観も違う。ホームシックになったこともありました。しかも全国から集まった実力派ばかり。1年の時なんて、僕は下から数えた方が早いくらい弱かった」
だが持ち前の辛抱強さと豊富なスタミナ、勝負勘の良さでのし上がり、世田谷学園高校3年時にはインターハイ優勝。バルセロナ五輪78キロ級金の吉田秀彦らがOBの強豪、明治大学に進学するや、キレのある技に磨きがかかり、4年の時にアテネ五輪で銀メダルを獲得。翌年の世界柔道選手権では金メダルに輝いた。
2大会連続出場となった08年の北京五輪では2回戦で敗退。いったん柔道から身を引いた。
その後、総合格闘家に転身。初戦こそ敗れたが、約2年間で6戦し4勝2敗。また11年7月にはアマレスの五輪代表を目指して全日本社会人選手権・フリースタイル96キロ級に出場してもいる。