全英OPカーヌスティに凝縮されていたリンクスコースの魅力
全米オープンや全米プロは、シネコックヒルズやペブルビーチなどリンクススタイルの会場で開催されることあるが、カーヌスティと比べるときれいに整備されすぎて個性がなく、面白みもない。
もちろんカーヌスティが何もしていなかったわけではない。グリーンには水をまいたが、フェアウエーは天候任せだった。その上でフェアウエー幅やラフの形状、そしてピン位置などを計算している。
実際、18番ホールは2007年大会で最も難しく4日間平均4.611打だったが、今年は4・237打(難易度4番目)とやさしくなった。だからモリナリが最終18番でバーディーを決めて大会を盛り上げた。
プロの飛距離が伸びて、R&AやUSGAはボールで飛距離制限をしようとする動きがある。チャンピオンシップコース改造には費用がかさみ、利用者のグリーンフィが高くなるという理由からだ。しかし見栄えを気にせず、フェアウエーを硬く、ピン位置を調整するだけでコースはよりタフになる。没個性といわれる全米オープンや全米プロは、カーヌスティを見習う必要があるだろう。
(ゴルフライター・吉川英三郎)