時短目的の新ルールでは日本のゴルフ離れは止められない
さらに吉川氏は続ける。
「バンカーでのアンプレアブルの処置で、バンカー下手は2罰打でバンカーの外に出して打てるようになった。長年プレーしてもバンカーショットで苦労している人は多いが、練習を重ねてうまくなった時の喜びは大きい。ルールやマナーを守ることと同時に、技術を高めることもゴルフの本質。バンカーが苦手な人には時短にはなるものの、このルールはいかがなものか」
世界のゴルフ人口は確かに急激に減っている。日本に限ればその主因は高額なプレー料金にある。土日なら1万5000円から3万円以上もする。しかも、ゴルフ場は都心から遠く、高いランチを腹いっぱい食べさせられて、昼食休憩が1時間以上もある。早朝に家を出ても帰宅は夕方と、ゴルフは一日を潰してしまう。
「おそらく平均40ドルぐらいでプレーできる米国のようにはいかないにしても、料金を安くして9ホールプレーを可能にするなど多様化を進めるべきです」とは、前出の吉川氏だ。
プレー人口減少に歯止めをかけるには時短目的のルール改定ではなく、取り組むべき諸問題が日本にはある。