速球156kmでダル完全復活 サイ・ヤング賞も期待できる根拠
カブスのファンは、とにかく熱狂的だ。
活躍すれば救世主と絶賛するが、結果が出なければ戦犯扱い。そんな毀誉褒貶の激しい地元ファンやメディアから思い切りブーイングを浴びたのが昨年、移籍1年目のダルビッシュ(32)だった。
オフに6年総額約140億円の大型契約でカブスへ。年平均23億円超のカネをもらいながら、右肘の故障などで8試合に登板しただけ(1勝3敗、防御率4・95)。ほとんど戦力にならなかったのだから無理もない。
ダル自身、ファンの期待を裏切ったことをかなり気にしていたからこそ、今季は期待できるのではないか。
昨年9月に右肘を手術。ほぼ万全な状態でキャンプを迎え、オープン戦2試合目の3日(日本時間4日)はホワイトソックス戦に先発。2回を投げて無安打無失点(3三振、1四球)に抑え、ストレートの最速は156キロをマークした。
フォームのバランスやタイミングを修正したそうで、「きょうは真っすぐも良かったし、満足している。スライダーの制球がよく、スプリットで空振りも取れた」と笑顔で話した。
メジャー2年目にはリーグ最多の277奪三振をマークしてサイ・ヤング賞投票で2位に。もともと力のある投手の状態が戻った上、ファンやメディアに叩かれたことがクスリになって士気も高い。今季はサイ・ヤング賞を獲得しても不思議ではない。