白鵬休場“元号またぎ連続V”消滅…さらに消えたもう一つの夢
そんな横綱が望みを託しているのが、来年開催される東京五輪開会式での土俵入り。日本のみならず、世界中に自身をアピールできる場とあって、常々「東京五輪まで現役」と言い続けてきた。
が、ある古株の親方は「白鵬は何か勘違いしているのではないか?」と、こう続ける。
「東京五輪の横綱土俵入りなんて、決定事項でも何でもない。協会には打診すら来ていないと聞きました。たまたま1998年の冬季長野五輪で曙が土俵入りを披露したので、今回も同様と勝手に思い込んでいるのでしょうけど……。そもそも、前回の東京五輪でも、横綱土俵入りなんてありませんでしたからね」
1964年の東京五輪では、相撲は剣道や弓道など他の武道と合わせて、デモンストレーション競技としてのみ公開された。場所は日本武道館。当時、明大相撲部4年生だった下村勝彦氏(現静岡県相撲連盟理事長)が日の丸のまわしを締め、さまざまな決まり手を披露した。大相撲の力士は参加すらしていなかった。
白鵬の亡き父は、前回の東京五輪にレスリングで出場。白鵬がやたら東京五輪をアピールしていたのは、そうした背景もあるだろうが、五輪土俵入りを既成事実化する思惑がないとも言い切れない。
「もし、来年夏の五輪で相撲の出番があるとしても、問題児である白鵬が“顔”としてふさわしいかは甚だ疑問。強ければ何をしてもいい、と言わんばかりの白鵬の態度は、相撲道の精神とは対極ですから」(前出の親方)
五輪での土俵入りなんて、夢のまた夢だ。