なでしこ東アジアの覇者に それでも優勝を喜べない理由
なでしこジャパンが東アジアEー1選手権(韓国・釜山)で4大会ぶり3回目の優勝を飾った。 まずは高倉監督とスタッフ、選手たちに「おめでとう」と伝えたい。
台湾、中国、そしてホームの韓国と対戦して3戦負けなし。しかも得点13・失点0である。数字の上では「余裕の優勝」と言っていいだろう。しかしながら、高倉ジャパンの<良さ>と<課題>の両方が浮き彫りになった大会となった。
韓国戦では、日本は持ち味のパスワークが冴えていた。ボールをキープしながら試合をきっちりと支配し、韓国に試合のペースを握られる時間帯もなかった。長短のパスを織り交ぜながら試合を優位に進め、なでしこのストロングポイントである<連動性><攻守のメリハリ>もあった。
課題点としては、やはり決定力不足を挙げないわけにはいかない。
韓国戦は、多くのチャンスをつくりながら、最終的にPKの1点だけだった。「香港戦、中国戦で計5得点のエース岩渕が韓国戦の前に負傷して欠場」したことは言い訳にはならない。ボールをつなぐ、試合を支配する、決定機を迎える――。その回数は多いのに流れの中でゴールを奪えなかったことは、出場選手の決定力の問題である。