なでしこ東アジアの覇者に それでも優勝を喜べない理由
どうしてゴール枠を捉えきれないのか?
なでしこの最近の試合を見ながら、強く感じることは<崩しにかかったときにスピードアップしない>ことである。
最後のラストパスの瞬間、シュートに持ち込む瞬間、フィニッシュの瞬間……スピードアップしないで<パス回しと同じようなペース>では、相手の守備陣も余裕を持って守ることができる。
さらに言うならば「攻撃に創意工夫がない」。
タイミングを見計らいながらのワンツーパスで相手ゴール前に侵入していく、相手DFの背後を突いてスルーパスを引き出す、オーバーラップを加えてサイド攻撃に厚みを増す――といったプレーをもっと見たかった。
選手たちにゴールを決めてやる! 絶対に勝ってやる! という気持ちがあることを前提にしながら、それでも「もっともっとアグレッシブな気持ちを全面に押し出してプレーしてほしい」と言わせていただこう。
精神論がすべてではないが、サッカーには強靭(きょうじん)なメンタルが絶対に必要である。勝ちたい気持ちが強ければ球際の勝負にも好影響を及ぼし、クロスバーやポストに当たったボールが決まる、外れる……にも影響していくものなのである。