紀平“4回転お預け”尻目に ロシア勢を猛追する米国勢の実力
フィギュアスケートのGPシリーズ米国杯(ネバダ州ラスベガス)が23日(日本時間24日)に開幕。女子では昨年大会2位のブレイディ・テネル(22)、大会4連覇がかかるネイサン・チェン(21)らが出場する。
平昌五輪団体銅メダルで、2018年全米選手権女王のテネルは今季、トム・ザカライセック氏にコーチを変更。多くの男女トップスケーターを育てた新コーチの下、スケーティングを見直し、ジャンプの精度向上に努めている。ザカライセック氏は自身のSNSで、秘策として4回転に取り組んでいると明かした。
女子フィギュアでは、昨季のGPファイナルでアンナ・シェルバコワ(16)、アレクサンドラ・トルソワ(16)のロシア勢2人が4回転ジャンプに成功。現時点でロシア勢の専売特許といわれる4回転だが、今季は紀平梨花(18)も構成に組み込んでいた。練習では何度も着氷に成功しながら、出場を予定していた11月のフランス杯が中止。今季は各国のスケーターとも、母国や練習拠点を置く近隣国の大会に限定されるため、紀平の国際大会での大技挑戦は来季までお預けとなる。
米国にはテネルの他にも、昨季のジュニアGPファイナル2位のアリッサ・リウ(15)ら、4回転を武器にする実力者が揃う。
紀平はロシア勢の対抗馬と目されていたが、米国勢の滑り次第では女子フィギュアの勢力図は塗り替えられそうだ。