高見盛は1年限定師匠「東関部屋」後継者不在で閉鎖の真相
高見盛の事情は仕方ないにせよ、なぜ一門内から後継者が出なかったのか。部屋持ちになれるチャンスではないのか。
■建物の所有者は先代一家
「現在の東関部屋は土地は葛飾区から借りているが、上物は先代師匠の遺族の持ち物。高見盛も彼らに家賃を払っていた。潮丸の遺族と今の部屋に問題が生じていたわけではありませんが、部屋の所有権が先代側にある場合、トラブルが起こりがちなんです。過去には、先代の夫人や家族が部屋の運営方法や稽古にまで口を挟み、当代師匠とモメにモメたという例がゴマンとある。こうなると穏便に済んだ事例はひとつもない。今の東関部屋にはそんな雰囲気はなくても、今回のような部屋の継承が難しいことは、親方衆ならみんな分かってますから」(前出の親方)
この状況で他の部屋から、「今日から俺が師匠だ」と乗り込むのは誰しも腰が引ける。弟子といっても知らない顔ばかり。東関部屋には元力士の敏腕マネジャーがいるので部屋運営に負担はかからないものの、裏を返せば自分の色も出しにくい。ハナからトラブルを抱え込むようなものなのだ。
先代が急逝した時点で、東関部屋閉鎖は避けられない運命だったのかもしれない。