マスターズの稼ぎはファンから110億円 有観客は苦肉の策
史上初の11月開催だった昨年のマスターズは、コロナ感染防止のため無観客で行われたが、今年は入場者数を制限して観戦できるようになった。
それはマスターズの赤字額を抑えるために、仕方のない選択だったのだ。
会場のオーガスタ・ナショナルGCには、ビル・ゲイツやウォーレン・バフェットら世界有数の資産家がメンバーに顔を並べており“懐事情”は潤沢。しかし、かつて女性メンバー不在が問題視されてから、クラブ運営とマスターズ開催が別会計になった。ようするに大会で赤字を出しても、コースが補填できなくなったのだ。
マスターズはゴルフ振興に寄与しているため優遇税を受けているが、それでも世界一華やかなメジャー開催にはカネがかかる。
しかも米国内放送に関して放映権料を受け取っていないどころか、中継するCBSに30億円近い金額を放映時間枠・制作費として支払っているのだ。これはマスターズ委員会がテレビ放映をコントロールするためであり、1時間にCM時間は4分だけと制限し、スポンサーも3~5社(IBM、AT&T、メルセデスベンツ、コカ・コーラなど)だけ。スポンサー料は1社当たり7億~10億円とみられ、CBSへの支払いでほとんど使い切ってしまう。