マスターズの稼ぎはファンから110億円 有観客は苦肉の策
大会初日(木曜日~)から入場できるパトロンバッチは4日間通し券(約400ドル=約4万3700円)が4万人に販売される。そのパトロンがマスターズ期間中に使う総額が2400万ドル(約26億2000万円)といわれる。
このほかコーポレートホスピタリティー(企業向けパッケージ販売)収入があり、約1600万ドル(約17億5000万円)になる。
こうした観客収入だけで毎年110億円もの収入が見込めるのだ。
マスターズ大会での利益はゴルフ普及のために使わなければいけない、という条件がある。そのため主催のマスターズ委員会は会場周囲の土地を買収して、専用駐車場を造ったり、コース周辺の混雑解消のためトンネルを掘ったり、隣接コースを買収して13番ホールのティーイングエリアを後方に下げようとしている。
トーナメント賞金は海外テレビ放映権料で充当できるが、コースメンテナンス、税金、すでに販売したチケットの払い戻しなど、出費は重なる。
昨年11月開催のマスターズは無観客のため大赤字だ。2年続けて無観客開催ではマスターズ委員会としても台所事情が苦しい。入場者数を限っても観客を入れることにしたわけだ。
(ゴルフライター・吉川英三郎)