“157キロの剛腕”佐々木朗希対策とミーティングの中身 東北大会切符かけ3位決定戦で激突
新チームで臨んだ翌春のセンバツを目指した秋。ここが最も甲子園に接近した瞬間だった。
岩手大会準決勝で敗れた専大北上は3位決定戦に回った。ここで勝てば、春に続いて東北大会に出場できる。
相手は157キロ右腕・佐々木朗希(現ロッテ)擁する大船渡。県内ではすでに有名な投手だったが、スタミナが課題とされていて、2年の夏までは投げたり投げなかったりだった。それが、この秋は背番号「1」を背負い、県大会1回戦から準決勝まで、8日間で全試合の4試合34イニングに登板。盛岡大付との準決勝では、10三振を奪ったものの、10安打を浴びて5-7。166球の完投負けを喫していた。その試合を球場で見た。好打者が多い盛岡大付は、佐々木の剛速球に振り負けることなく、はじき返していた。球は速いのに空振りが取れない。付け入るスキがあると感じた。
3位決定戦の前日、「朗希対策」として通常より3メートルほど前に打撃マシンを設置。体感を150キロにして打ち込んだ。たとえ一夜漬けでも目は慣らしておかないといけない。私はミーティングで、こう指示を出した。