僕が引退試合を拒否した理由…阪神には愛着以上の感情も、野球を続けたい気持ちが勝った
前回「阪神からの戦力外通告「全内幕」…四方八方から《辞めた方が身のためや》と現役続行を反対された」からつづく。
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「このままではユニホームを脱げない。もう一度、自分の気持ちをスカッとさせたい。一歩踏み出すことが今の自分にとっていいこと。球団からの引退試合の打診? ありがたい話ですけど、現役にこだわらせていただきますと。トライアウト? 当然行きます。決まるまで最大限の努力はします」
2009年10月10日、球団からの「盛大な引退試合」の提案を丁重に断り、僕は退団会見でこう答えた。
さかのぼること3年前、06年にはこんなことがあった。
右手に死球を受けて二軍でリハビリをしていたところ、新たにその右手尺骨の骨挫傷が全治1カ月以上と診断された。