私が「飛ばないバット」に感じる"攻撃面"の意外なメリット…今春センバツにも好例があった
1年前に低反発バットが導入されて以来、高校野球は大きく様変わりしました。
私の体感では、従来の金属バットの打球速度や飛距離を「10」とするならば、低反発バットは「6」程度。その影響の大きさは、今春センバツでベスト4が出そろうまでにサク越え本塁打がわずか4本しか出なかったことからも明らかです。
とはいえ、私は低反発バットを恨めしく思っているわけではありません。むしろ「攻撃」において、プラスの側面もあると感じています。
たとえば、2点を追う攻撃で無死満塁の場面。私は本塁打よりも、三塁打が出る方がうれしいと感じることもあります。
本塁打で一気に4点入るのはありがたいことですが、見方を変えれば「リセット」にもなりかねません。走者が一掃され、再びゼロから走者をため直す必要があり、次の1点を奪うまでの心理的ハードルが上がります。さらに、失点を割り切った相手投手が、ここから開き直って良い投球をしてくるケースもあります。
一方で三塁打ならどうか。3点が入って、なおも無死三塁となれば、相手バッテリーはスクイズを警戒するため、こちらが打者有利のカウントをつくりやすくなります。四球を選べれば無死一、三塁。こうして次々と走者をためながら、延々と攻撃を継続できるのです。点数以上に、相手チームに与えるダメージも大きくなります。