森保J「控え組の通信簿」W杯8強実現には底上げが不可欠! 釜本邦茂氏ら3人がズバリ採点
森保一監督率いる日本代表が29日、ベトナム代表とW杯アジア最終予選最終節を埼玉スタジアムで戦った。
24日の大一番、オーストラリアとのアウェー戦をモノにし、7大会連続のW杯行きを決めた日本はこの日、先発9選手を入れ替えて臨んだ。
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試合は、予選B組最下位の相手に快勝して「7連勝で有終の美」を飾るチャンスだったが、控え組中心のメンバーは専守防衛のベトナム相手にてこずり、1-1のドロー決着という不完全燃焼の結果に終わった。
試合後、森保監督と主将のDF吉田麻也(33=サンプドリア)が「カタールW杯ではベスト8以上の成績を目標にする」と口を揃えていたが、そのためには先発組は言うに及ばず、控え組もレベルアップを図り、チーム全体を一段も二段も底上げしないと絵に描いたモチになる。そこで日刊ゲンダイは「森保ジャパン 控え組の通信簿」としてベトナム戦に先発した「控え組」(GKのベテラン川島は除く)のパフォーマンスと「5点満点」で何点を与えられるか、メキシコ五輪得点王の釜本邦茂氏、元サッカーダイジェスト編集長の六川亨氏、元ワールドサッカーグラフィック編集長の中山淳氏にズバリ聞いた──。
■FW上田綺世・23歳、鹿島「3点」
釜本氏「後半に前線で好ポストプレーを見せてFW伊東、FW久保のシュートをお膳立てする場面があったが、あまりにも自分自身のシュートが少な過ぎた。少し下がってミドルシュートを狙うなど工夫がほしかった」
■FW久保建英・20歳、マジョルカ「2点」
釜本氏「ひと言で表現すると『良くなかった』。ドリブルで相手をかわすことはできるが、かわした後に相手を置き去りにすることができず、シュート態勢に持っていくことができなかった。スピードがない、と言ってしまえばそれまでだが、目の前の相手をかわすことしかできなければ、なかなかゴールを決めることは難しい。課題が残った」
■FW三笘薫・24歳、サンジロワーズ「3点」
釜本氏「まあまあの出来栄えだったが、ボールを持ってから初動を研究され、オーストラリア戦のようなスパッと抜いてゴールを陥れるといった好プレーが出せなかった」
柴崎は「ボールををロストしてピンチを招く」
■MF旗手怜央・24歳、セルティック「評価なし」
六川氏「川崎のチームメートだった三笘とのコンビネーションが合っていなかった。得意の攻撃を仕掛けるチャンスもなく、アンカーのMF柴崎にボールを預けるシーンが目立った。やりにくそうなプレーに終始し、気の毒な部分もあるが、見せ場なしに終わった」
■右SB山根視来・28歳、川崎「3点」
六川氏「前半は(右サイドFWの)久保が前方にいたので攻め上がるスペースがなかった。後半から4-2-3-1に布陣が変わり、途中から(元川崎の)MF守田、MF田中がピッチに登場してから持ち味のオーバーラップも何度か見られた」
■左SB中山雄太・25歳、ズヴォレ「2点」
六川氏「山根と同様、左サイドFWの三笘に<フタをされる格好で>攻撃に参加できず、途中からは後方でボールをもらい、味方に預けるだけになってしまった。相手CKでマークを外してしまい、痛恨の失点を招いてしまった」
■MF柴崎岳・29歳、レガネス「2点」
中山氏「ボールをロストしてピンチを招く場面もあり、(先発組の)MF遠藤との違いが出てしまった。4-3-3のチーム戦術では、守備を安定させられない。チーム内の立ち位置は厳しい」
■DF谷口彰悟・30歳、川崎「3点」
中山氏「もっとビルドアップして揺さぶるシーンも見たかったが、前半と後半とも無難なプレーで終わった。対人プレーに不安があるが、国内組なので強力な外国人相手のプレー機会が乏しいことが不安材料に挙げられる」