C大阪移籍のチャウワット選手「タイ人選手はJの推し進めるアジア戦略に興味を持っている」
迷わずに日本サッカーにチャレンジしてほしい
──若くして海を渡ったあなたの歩みはチャナティップ、ティーラシン、ティーラトンといった既に国内で名声を得ていた同郷の先輩たちとは異なったものです。今後、あなたのように若くして国を飛び出す選手が続いてこなければ、タイサッカーに明るい未来はないと思っています。後輩たちに何を伝えたいですか?
「まずは今、名前の挙がった先輩たちはタイで非常に有名な選手ばかり。私とは異なっていることは理解しています。実は私も、その先輩達から教わったことなのですが、日本サッカーはレベルが高く、学ぶことがたくさんある、と。もし目の前にそのチャンスがあるならば、迷わずに日本でチャレンジして欲しい、と後輩たちへ強く伝えたいです。タイにも有望な若手選手は多い。彼らが海外へ出て経験を積んでいけば、タイサッカーもより良くなっていくと信じています。それが私から彼らへ向けたアドバイスです」
──とても日本サッカーのことを褒めていただきましたが、アジアには他にも個性あるサッカーをやっている強豪国はあると思うのですが、やはりJリーグでプレーすることは、タイ人選手の中では一目置くステージなのでしょうか?
■タイ人には日本のサッカーが適している
「確かにアジアには特徴が異なる国とリーグが存在しています。中でも日本、韓国、オーストラリアが際立っていると感じます。ただ韓国やオーストラリアは、フィジカルに重きを置いたサッカーをする一方で、日本はテクニックとスピードを重視したサッカーをするので私たちタイ人の体格や特徴を考えると、日本サッカーの方が合っていると思いますし、学ぶ場所としてJリーグが適しているとも考えています。日本代表も非常にレベルが高いので、試合はいつも興味深く観ています」
──実はACLのラウンド16・BGの試合取材で埼玉にいます。今のBGには準決勝まで勝ち上がれる可能性が十分にある、と予想しています。チャウワット選手の勝敗予想は? またBGの注目選手は誰なのか、こっそり教えていただけませんか?
「う~ん(苦笑)、予想は難しいですよ。もちろんBGには勝ち進んで欲しいと強く願っていますが、試合には流れがありますし、ACLはとても大きく重要な大会です。ひとつひとつの試合が大事であり、簡単ではないと思います。また注目選手も一概には言えないです(苦笑)。ひとりが突出していれば勝てるという訳でなく、皆が協力してどれだけチームワークを発揮出来るか、そこが鍵になると思います」
■来季もセレッソの一員でありたい
──セレッソ大阪との契約は今季終了までと聞いていますが、チームは目下リーグ6位(8月22に日現在)。天皇杯もベスト8に残っており、来季のACL出場権へ手の届く位置に付けています。ブルーではなく、ピンクのシャツを身にまとい、来季のACLでプレーするあなたの姿を観てみたいと思っていますが、ご自身のお気持ちはどうでしょう?
「仰る通り、私の契約は今季終了までですが、私自身の意思としては日本でより経験を積みたいので、ここにいたいとは思っていますが、これは私のプレー評価が左右することなので、頑張った上でチームの判断を待ちたいと思っています。今はチームが良い状況下にあって(リーグ、天皇杯、ルヴァンカップと)3つのタイトルに手が届く位置にいて雰囲気も良いんです。なので来季ACL出場権を獲得できると信じていますし、来季もセレッソの一員としてACLに出場したい気持ちは強いです」
──(今年7月の)チーム加入時には「今回の移籍には自信があり、自分自身の価値を証明して活躍する姿をファンへ見せたい」と抱負を語っていたことが実に印象的でした。最後に、改めてあなたのプレーする姿を楽しみにしているファンへ向けたメッセージをいただけませんか?
■絶え間なく努力をして成長に繋げたい
「日本へ来て2カ月が経ちましたが、この間だけでもまた多くの学びがあり、コンディションも上がってきていますし、それらが日々自分の身になっている自信もあるんです。ただ日本にはタイよりも優秀な選手が非常に多く、簡単に試合へ出られるとは思っていません。毎日、絶え間なく努力をして成長に繋げていきたいと思っています。こうやって私が日本で頑張れているのは、周り方々の支えがあってのことだと思っていますし、ファンの皆さんにも感謝しています。いつもありがとうございます」
──次は試合出場を果たした会場で会えることを楽しみにしています。スース-ナー、インス!!
「カーップ。コップンカップ!!」
(通訳=高田胤臣)