カタールW杯は史上最も不親切な大会…道を知らないウガンダ人バス運転手と恐怖のドライブ
プレス専用バスはぎゅうぎゅう詰め
新しいスタジアムなのにバリアフリーなんて一切考えていなかったみたい。スタジアム内のどこへ行くのも階段を上り下りさせられる。年配、車椅子の人には厳しいだろうな。
妙なところがみみっちくて、通常は無料で用意されているプレスセンターの軽食は全て有料。ビーフバーガーが1500円、パックの紅茶が600円。市内の2倍くらい高いんだ。
極め付きは帰りのバスだ。プレス専用のバスが市内まで出ているんだけど、まず乗り場が分からない。分かってもバスが来ない。やっと来ても、そこに一般のサポーターが殺到して大混乱。記者証なんてチェックしないから、誰でも乗れちゃうんだ。立ち乗り禁止のバスなのに社内はぎゅうぎゅう詰め。おまけにウガンダから来たばかりという運転手は、道を間違えて迷ってしまった。無線とかついていないみたいで、異邦人ばかりが乗ったバスは砂漠の端っこをさまよい、正直いってものすごく怖かったよ。
結局、ホテルにたどり着いたのは夜中の3時近く。試合を見に行っただけなのに……。もうくたくただったよ。
▽翻訳=利根川晶子(とねがわ・あきこ) 埼玉県出身。通訳・翻訳家。82年W杯を制したイタリア代表のMFタルデッリの雄叫びに魅せられ、89年からローマ在住。90年イタリアW杯を目の当たりにしながらセリアAに傾倒した。サッカー関連記事の取材・執筆、サッカー番組やイベントで翻訳・通訳を手がける。「カカから日本のサッカー少年へ73のメッセージ」「ゴールこそ、すべて スキラッチ自伝」「ザッケローニ 新たなる挑戦」など著書・訳書多数。