著者のコラム一覧
元川悦子サッカージャーナリスト

1967年7月14日生まれ。長野県松本市出身。業界紙、夕刊紙を経て94年にフリーランス。著作に「U―22」「黄金世代―99年ワールドユース準優勝と日本サッカーの10年 (SJ sports)」「「いじらない」育て方~親とコーチが語る遠藤保仁」「僕らがサッカーボーイズだった頃2 プロサッカー選手のジュニア時代」など。

ウルグアイ戦先発フル出場 シュミット・ダニエルは「米MLS経由欧州5大リーグ移籍ルート」に注目している

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シュミット・ダニエル(シントトロイデン・GK/31歳)=後編

「W杯には行けたけど、今の僕には危機感しかない」と強調する。

 やはり試合に出た選手、出ていない選手とには目に見えない大きな差があったという。

「それを痛感したのが、試合後。試合に出て活躍した選手は取材に時間がかかって最後の方にバスに乗ってくるのに、出てない自分は早々とバスに乗っててスマホを見るだけ。『本当に何もしなかったんだな……』としみじみ感じた瞬間でした」

 その悔しさを晴らすべく、先発フル出場した新生・森保日本の初戦ウルグアイ戦から新たなスタートを切る──。

 ◇  ◇  ◇

「メディアの人から見れば『出てないダンには何も聞くことがない』ってことなんでしょうけど、やっぱり先にバスに乗って待ってる時間は空しいですよね……。あの感覚は体験した者にしか分からない。次は絶対に話題の中に入れるようにしたいと思っています」

 誰よりも温厚なシュミットが、ここまで闘志をむき出しにすることは滅多にない。それほど「W杯出場なし」というのは選手にとって大きなダメージだったのである。

 2018年ロシアW杯で同じく出番なしに終わった遠藤航(シュツットガルト)が「W杯に出られなかった悔しさを常に持ち続けないといけない。それが高いモチベーションに繋がる」と語気を強めていたが、4年後のカタールW杯では絶対的主力として君臨した。

 シュミットも同じ軌跡を辿らなけれないけないのだ。そこで目を向けるべきなのが、W杯上位進出国の守護神だろう。

 アルゼンチンのマルティネス(アストンビラ)、フランスのロリス(トッテナム)など多彩なGKがいたが、シュミットは彼らから大いに刺激を受けたという。

「カタールW杯はPKが多かったので、GKが目立った大会だとは感じています。でも強豪国のGKはそれぞれスタイルがあり、色が違っていたので大会の傾向をまとめづらいんですけど、クロアチアのリバコビッチ(ディナモ・ザグレブ)なんかは、完全にゴールライン上でシュートを止めるGKですよね。ミスで失点しないという意味で一番、安定感があるように見えた。ポジショニングもいいし、反応も素晴らしかった。僕自身も前々からの課題であるシュートストップの部分を改善していかないといけない。あとは守備陣との連携ですね。そこはクラブと代表とでは感覚的な違いがあるんですが、修正できる部分は大いにあると思っています。実際、ゴンちゃん(権田修一=清水)はすごいコミュニケーションを取るんですよね。そこは自分にないところ。学ぶべき点は多いです」

 権田の立ち居振る舞いも参考にしながら、3年後の大舞台に突き進んでいく構えだ。

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