元川悦子
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元川悦子サッカージャーナリスト

1967年7月14日生まれ。長野県松本市出身。業界紙、夕刊紙を経て94年にフリーランス。著作に「U―22」「黄金世代―99年ワールドユース準優勝と日本サッカーの10年 (SJ sports)」「「いじらない」育て方~親とコーチが語る遠藤保仁」「僕らがサッカーボーイズだった頃2 プロサッカー選手のジュニア時代」など。

W杯4大会出場のGK川島が断言「それぞれが世界トップ基準を持っていないと8強には辿り着けない」

公開日: 更新日:

川島永嗣(ストラスブール・GK/40歳)=前編

 1-1のドロー決着となった24日のウルグアイ戦で新たな一歩を踏み出した第2次森保日本。彼らが目指すのは、もちろん2026年北中米W杯での8強入りだ。

「壁を打ち破ることに関しては、僕は何も心配していない。時間は少なからずかかるにしても、必ずそこには行けると思う。ただし、選手も監督も(日本サッカー)協会も、みんなが高いものを追求し続けていかない限りは辿り着けない領域だとは感じます」

 こう強調するのは、W杯過去4大会出場のGK川島永嗣。新体制発足の今こそ、偉大な先人の言葉に改めて耳を傾ける必要があるだろう。
 
  ◇  ◇  ◇

 カタールW杯こそ出番はなかったが、2010年南アフリカ、2014年ブラジル、2018年ロシア大会で全11試合に出場した川島ほどW杯の重みを知る選手はいないと言っても過言ではない。

 カタールW杯に参戦したメンバーがそのことを痛感したのが、スペイン戦前の涙のミーティングだった。

「正直、自分が何を話したのか、覚えてない。感情に身を任せた感じだったので。ただ『自分たちは、ここで終わるチームじゃない』という僕の思いは伝えたかったですね」とサラリと言う。

 が、鎌田大地(フランクフルト)が「やっぱり代表って凄いところだな。次は自分が引っ張らないといけない」と覚悟を決めたほど、若い世代に大きな影響を与えたのだ。

 そんな川島も、W杯8強の壁に跳ね返され続けたひとり。今年1月に左肩を手術し、今は代表活動から距離を置いているが、日本代表のさらなる成長を誰よりも望んでいるのは間違いない。

「カタールW杯を見ても、ベスト16よりベスト8というのは、明らかにハードルが高いですよね。世界で本当に選ばれた国しかそこには行けないし、グループリーグとは全く別の戦い。日本がそこに入っていくためには、その厳しさを理解しないといけないと思います。クロアチアにしてもレアル・マドリードやトッテナム、インテルなど強豪クラブにいる選手が揃った前回の準優勝国。その相手に対して日本は十分に勝てるチャンスも自信もあった。だからこそ、16強敗退は悔しかったですね」と偽らざる胸の内を吐露する。

 彼がフランスに戻った後もクラブ関係者やチームメートなどから「ドイツとスペインを倒した日本は凄かった」という賞賛の声を数多くもらったという。

 だが、南アとロシアで同じ経験をしていた川島は「それを言われれば言われる分、『18年の時と変わってないな』と感じて悔しさが募った」と明かす。

 大ベテランがそこまでの感情を脳裏に刻みつけているのだから、新生日本の面々はそれを引き継ぎ、大いなる闘争心と野心を持って次の3年間を戦うべき。

 川島を筆頭に長友佑都(FC東京)、吉田麻也(シャルケ)、酒井宏樹(浦和)という経験豊富な選手が揃って代表メンバーから外れたのだから、カタール組にはより自覚を強めてもらいたいものである。

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