元日本代表SH堀越正己氏がラグビーW杯をズバリ予想 「日本は3勝1敗でD組2位突破」する根拠
4試合目のアルゼンチン戦まで全勝なら
──初戦は初出場のチリ(世界ランク22位)。
「情報があまりないのですが、今大会で唯一の初出場チーム。日本は4トライ以上の勝利でボーナスポイントを含めた勝ち点5を目指したい。でも、決して簡単な相手ではありません。クラブリーグの発足などで環境が整備され、実力を伸ばしている。W杯常連国のカナダと米国を予選で退けているので侮れません。それでも、初戦をしっかり勝つと、テンポが出てくると思います」
──2戦目は優勝経験のある強豪イングランド(同8位)。
「昨年12月にボースウィック監督が引き継いで以降、テストマッチは9戦6敗。W杯前最後の実戦でもフィジー(同7位)相手に初めて黒星を喫した。SOファレル、ナンバー8のブニポラの主力2人が危険なプレーで出場停止中。主将のファレルは2戦目の日本戦まで出られない。チーム的にもいい状態じゃありません。フィジーに敗れたことで自信を失っているので、勝つチャンスは十分あります」
──3戦目はサモア(同12位)。
「嫌ですね。代表資格条件が緩和され、元オーストラリア代表SOリアリーファノらW杯で実績のある選手が新たに代表に入ったことで、確実に戦力はアップした。7月のテストマッチで日本に勝利。W杯前最後の実戦ではアイルランド(同1位)に4点差で惜敗した。難しい試合になりそうです」
──最終戦はアルゼンチン(同6位)。
「ここは総力戦。昨年、ニュージーランド(同4位)とイングランドを撃破。今年のテストマッチでも南アフリカ(同2位)に1点差で惜敗。オーストラリア(同9位)には競り勝った。この組で最強だと思う。日本は3連勝でアルゼンチン戦を迎えたい。予想は希望も込みで3勝1敗で2位通過でしょうか」
──堀越監督が初めてW杯に出場したのは、1991年の第2回大会。
「初戦の1日前か2日前にホテルで先発メンバーが発表になって、スコットランド戦で僕が外されることが分かり、大きなショックを受けました。それで、練習にスパイクを持っていくのを忘れてしまい、大目玉を食らいました」
──その初戦でスコットランドに9-47と大敗。
「会場はスコットランド本拠地のマレーフィールド競技場で、控え選手の席は当時は観客席だった。スタンドは満員で、スコットランドの人は日本の選手がいいプレーをした時も拍手をしてくれて、盛り上がりを肌で感じることができた。2試合目、3試合目はスタメンで出ることができました」
──3試合目のジンバブエ戦で日本は52-8でW杯初勝利。
「スコットランド、アイルランドに敗れて2敗。1次リーグ敗退は決まっていたので、最後は勝たなくては帰れないと思っていた。スクラムから出てきたボールをトライしたのを覚えています」