木浪聖也の「負けん気」を育てた同級生・京田陽太の存在 恩師が明かすムキ出しのライバル心
木浪聖也(29歳・5年目・内野手)
「恐怖の8番」として本領を発揮した。
今季は開幕直後から「8番・遊撃」に定着。127試合に出場して打率.267、自身初の規定打席に到達した。堅実な守備と打撃でリーグ優勝に貢献。CSではサヨナラ打を放つなど、勝負強い打撃でMVPを受賞した。
小学生時代の木浪を指導した安田ヤンヤン少年野球チームの澤田憲郎監督(67)はこう話す。
「真面目で素直に人の話を聞くので、大人に怒られないタイプの子でした。それに、一生懸命練習する。中学生の頃、全国大会出場が決まった時に彼の家にお祝いに行ったのですが、夜なのに不在でした。学校の近くにいると教わったので行ってみたら、日も暮れている中、一人で黙々と素振りをしていたんです」
進学した青森山田高校で監督として木浪を指導した渋谷良弥氏(76=現同校アドバイザー)はこう振り返る。
■冬のウエート、走り込み、素振り1000回
「入ってきた時はやはり細かったし非力でしたが、1年の冬を越えて力強さが出てきました。青森は11月から翌年3月までは雪でグラウンドが使えません。その間にウエートや走り込みなどを重点的に行い、特にバットの振り込みは1日1000回行います。うちの冬はそんな感じなので、『冬を制する者は甲子園を制する』と部員によく言ったものです。聖也も2年の春にはだいぶ力強さが出てきて、レギュラーに定着しました」