新入幕・尊富士が64年ぶり11連勝 アマチュア時代から追い続けた先輩横綱の背中
ついに64年前の大記録に並んだ。
初日から勝ちっぱなしと快進撃を続けている新入幕の尊富士(24)。昨20日は初の大関戦で琴ノ若を下し、負けなしの11連勝。1960年1月場所で、後に「昭和の大横綱」と呼ばれた大鵬の新入幕連勝記録に並んだ。12日目も勝てば、大鵬すら出来なかった新記録樹立だ。
取組を見た親方のひとりは「立ち合いで『さすが琴ノ若!』と思ったのですが」と、こう話す。
「尊富士は立ち合いから一気に攻める押し相撲が持ち味。それを今場所初めて、琴ノ若に立ち合いの押しを止められた。しかし、その直後の反応が凄かった。一瞬、間が空いたところを見逃さず、深い右差し。対応できず、反撃が遅れた大関を寄り切った。琴ノ若に隙があったというよりも、尊富士の反応の速さと集中力を褒めるべきです」
土俵内の集中力は「ケガの功名」だろう。鳥取城北時代は左膝を2回、日大時代も右膝を1回、負傷している。「相撲は巨漢同士が押し合い圧し合いする性質上、一瞬の気の緩みが大ケガにつながりかねない。尊富士はそれをプロ入り前に身をもって知った、というころではないか」とは、前出の親方だ。