ベアトロフィーの古江彩佳が改めて教えてくれた「柔よく剛を制す」ゴルフの神髄
古江彩佳(24)が、今季米女子ツアーで日本人初となるベアトロフィーを受賞した。同賞は年間を通じて最も平均スコアの良い選手に贈られるもので、プロゴルファーとしては最高の名誉である。
彼女の平均スコアは69.99。規定ラウンド数に達した選手の中でただ一人の60台である。
この記録の何が凄いかというと、古江のドライビングディスタンスだ。その平均は250.41ヤード。同ツアー登録選手162人中134位。153センチと小柄な体もあって、毎試合ハンディを背負っての戦いとなる。
古江は飛ばないがパーオン率73.97%はツアー7位。パーオンホールの平均パット数1.77は9位。シーズン中のワーストスコアを見ても、シード選手80人中、半数以上が80以上を叩いているのに古江はトップの75。守りが堅いだけではなく、バーディー数335は9位だ。
ここぞという時に攻めるゴルフは今年のメジャー「エビアン選手権」でも光った。トップタイで迎えた最終日18番(パー5)。池越えの第2打を果敢に攻めて2オンに成功。3メートルのイーグルパットを沈めてメジャー初優勝を達成した。この日だけで1イーグル、6バーディー、2ボギーの「65」。これもアプローチやパットに絶対の自信があるからこその「攻めのゴルフ」だった。