「世界一有名なパー3」オーガスタ12番はなぜ難しいのか…無風でも高難度、強風時はもはや運任せ
そこに、風が距離計算を狂わせます。例えば、ティーイングエリアで強い追い風が吹いていても、その風がグリーン奥の林に当たり、グリーン上は逆風になることもあるし、ならないときもある。また、オナーが追い風でも次に打つ人のときは逆風になることも。そんな状況の中、10ヤード幅の硬いグリーンに落とさなければなりません。
手前の小川(レイズクリーク)よりは奥のバンカーに入れる方がましですが、奥にはブッシュがあるし、バンカーやグリーンを少しこぼれた位置に止まっても小川に向かって下りのアプローチが残る。無風や微風でも難しいのに、風が強い日はボールコントロールは不可能ですから、もう運まかせ。そんなときでも藤田さんは顔色ひとつ変えませんから心強かった(笑)。
オーガスタの12番といえば、こんなことがありました。09年のマスターズで4位になった片山晋呉さんと国内ツアーのある大会で同組になったときです。パー3のティーイングエリアでキャディーとの会話が聞こえました。
「ここはオーガスタの12番を想定して打つ。ピンがあそこで、追い風なのでどうやって止めるか……」