糖尿病
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痩せ薬「GLP-1受容体作動薬」はどう使うべきか…適応外使用が問題に
年末年始の食べ過ぎで増えた体重が元に戻らない。しかも寒くて運動する気が起こらない。そうなると気になるのは「楽に痩せられる」といわれるあの薬──。 それは「GLP-1受容体作動薬」だ。日本糖尿病学会専門医で三重・松本クリニック...
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複数の米医療関連メディアが選んだ2023年の医療ブレイクスルーは「痩せる薬」…肥満との戦いに新時代到来
アメリカの複数の医療関連メディアが選んだ、2023年の最大のブレイクスルーは、「痩せる薬」でした。国民の7割が太り過ぎ、4割が肥満症に悩むアメリカ人にとって、新たな時代が到来したと注目の的になっています。 このコラム(htt...
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おせち料理は糖質たっぷり…「お正月糖尿病」を避けるにはどうしたらいい?
老舗の練り物食品メーカーの「紀文」が2010年から毎年実施している「紀文・お正月全国調査」(全国の20~60代既婚女性7015人が対象)によると、2022年の正月では全体の71.5%がおせち料理を食べたという。 おせち料理の...
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糖尿病治療で血糖値が大幅に下がると「遠視」になるのか?
糖尿病患者には一時的な視力変化がみられることが知られている。血糖が上昇しているときは近視となり、血糖が下がると遠視の状態になるという。 ある報告では糖尿病と診断されて5年が経過した50代男性が、教育入院で食事療法と運動療法を...
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「歯間清掃」の習慣で血糖値は安定する…乱れやすい年末年始は注意
忙しくなる年末年始は、血糖コントロールが不安定になりやすい。寒さや仕事のストレスに加え、飲食の機会が増えて運動不足になるからだ。しかし、血糖コントロールが乱れる原因はそれだけじゃない。忙しさから日々の口腔ケアがおろそかになることも大...
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慢性腎臓病の50歳男性「墓参りで死んだ両親に会ってきた。早くそっちに行きたい」
「ばい菌が入ったら最悪足を切らなきゃいけないって言われたんだよね」 形成外科病院に通院しながら、私たちのところで在宅医療を開始された50歳になる1人暮らしの患者さんがいました。 その方は糖尿病、壊死性腸炎、慢性腎臓病を...
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糖尿病は“治る”時代…いまこそ患者への偏見を是正すべきだ
医学が急速に進み、多くの病が克服されつつある。「病の帝王」と呼ばれる「がん」ですら、生還する人が増えている。にもかかわらず、病気に関する不正確な知識や情報に基づき負の烙印「スティグマ」を押すケースが後を絶たないのはどうしたことか。 ...
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糖尿病の新たな指標「Time in Range」ってなんだ?血糖変動を示す
「Time in Range」(TIR)という言葉をご存じか? 持続血糖測定器(CGM)の普及に伴って、血糖値を管理する新しい方法のこと。CGMで測定した血糖が目標域に入った時間の割合を計算した値で、糖尿病合併症の発症・進展や死亡率と...
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太るタイプの2型糖尿病は薬で“治る”時代へ… 専門医に聞いた
「一度発症すると治らない病気」。それが糖尿病の常識だった。しかし、いまはそれが変わりつつある。新たな薬や食事・運動療法への考え方、血糖測定器などの登場により、一部の糖尿病は健康な人と同じように病気による症状や検査異常が消失した寛解≒治...
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「膵臓がん検査」での早期発見は難しく、CTやMRIも気軽に使えない
膵がんに有効な早期発見法は、確立されていませんが、一般的に行われている検査を紹介します。 まず血液検査です。CA19-9、CEAなど、膵がん用の腫瘍マーカーが数種類あります。簡単かつ安く検査できるというメリットがありますが、...
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糖尿病治療用注射剤に続き…ノボ社が一部の超即効型インスリン製剤も限定出荷に
糖尿病治療薬分野で世界一のノボノルディスクファーマ㈱は、超即効型インスリンアナログ製剤「ノボラピッド(R)注フレックスタッチ(R)」などについて限定出荷することを発表した。ノボラピッド(R)注は、食直前に注射して食後血糖値の上昇を抑...
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生活苦で広がる患者の服薬の間引き、治療の中断…「モーニングサージ」に気をつけろ
生活苦が止まらない。厚労省発表の物価変動の影響を除いた9月の実質賃金は18カ月連続で前年を下回った。年金額も物価の上昇に合わせて来年は2年連続の増額の見通しだが、その一方で、保険料を支払う現役世代の減少や高齢化による「スライド制度」...
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糖尿病の人は死にたくなければ…膵臓がん検査を忘れてはいけない!
2型糖尿病の患者さんは膵臓がんが発生しやすく、膵臓がんになった人は1型糖尿病になりやすいことが知られています。2型糖尿病の薬の進歩は目覚ましく、糖尿病で亡くなる人は激減しておりますが、膵臓がんはとても予後が悪いがんの代表です。 ...
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寝る前に両足に違和感を感じたら…「糖尿病性神経障害」を疑う
糖尿病性神経障害は腎症、網膜症と並び糖尿病の3大合併症に数えられています。ところが、一般の人は具体的にどんな症状が糖尿病性神経障害によるものなのか、わかっておらず、関心が高くないのは残念なことです。糖尿病のある人の寿命は延伸しており...
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糖尿病体験記…教育入院後2週間でインスリンを中止し血糖値は正常に
「このままだと、あなた、命を落としますよ」──。私が真剣に糖尿病と向き合うキッカケは会社の健康診断での医師のこんな言葉でした。 2年前の健診で7.5%だったHbA1cが昨年は10.3%、今年は10.8%。私にもインスリン注射が...
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痔ろうがきっかけで糖尿病が発覚も…「減量手術で人生を取り戻した」
私が糖尿病だと知ったキッカケは痔ろうの手術です。タクシーの乗務員は一日中座りっぱなしで、痔ろう持ちが少なくありません。私もその一人でした。限界まで我慢したのですが、たまらず今から14年前に手術しました。ところが痔ろうの先輩と比べて治...
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CGM体験記「1型糖尿病でも合併症の不安が解消され豊かな人生が送れる」
糖尿病を発症したのは結婚したばかりの26歳の頃。突然、頭がボーッとして倒れ、救急車で病院に運ばれました。医師に「糖尿病です」と告げられたときは心底驚きました。174センチの私の当時の体重は50キロ台。太っていた時でも68キロで、ベス...
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糖尿病の人だけが発症する「糖尿病性認知症」とはどんな病気?
糖尿病患者さんにだけ発症する「糖尿病性認知症」をご存じでしょうか。これまで糖尿病が認知症の発症リスクになることは知られていましたが、約15年前に糖尿病だけが原因になる認知症があると明らかになりました。 症状は一般的なアルツハ...
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糖尿病患者の正しい振る舞いは「すべてisCGMが教えてくれる」
糖尿病治療の基本は血糖値の管理にあります。本来それは実測値で行われるべきですが、日常のさまざまなシーンに応じて変動する血糖値を把握するのは難しい。評価となるとなおさらです。そこで便宜上、血糖値の管理基準を直近1~2カ月の平均血糖値を...
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糖尿病の人が正しく歩くには柔軟なアキレス腱が必要になる
人は歩く時、かかとから着地すると同時に足の指先をそらせ、足の外側(小指側)の柔らかい部分から親指の付け根に重心を移動させ、足の指先を蹴って前に進みます。 糖尿病で神経障害が出ている人は足先から筋肉が萎縮し、筋肉量が低下してい...
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糖尿病の治療を止めると認知症が増える? 治療薬に予防の可能性
糖尿病は認知症のリスクであることが知られています。糖尿病のコントロールが改善することは、認知症の予防にもつながるのです。ただ、糖尿病の治療薬にも多くの種類があり、その中には重症の低血糖を起こして、脳にダメージを与える可能性のある薬も...
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糖尿病が不安な人の正しい「靴」の選び方…足病変リスクを減らす新健康靴開発者に聞く
「アサヒフットケア(R)」なる靴をご存じか? 佐賀大学医学部とアサヒシューズ㈱が10年かけて共同開発し、一昨年発売した、糖尿病患者の足病変から足を守る機能性シューズだ。糖尿病と診断されると歩行(運動)が推奨されるが、自分に合ってない靴...
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量を変えずにダイエット 「時間栄養学的」朝食の取り方
時間栄養学とは「何をどのくらい食べるか」に加え「いつ食べるか」を考慮した新しい栄養学です。同じ人が同じ食べ物を同じ量だけ食べても食べるタイミングによって太りやすくも痩せやすくもなります。時間帯によって栄養の吸収や筋肉や脂肪の合成、排...
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元国立がん研究センターの医師は重度の糖尿病を食事・運動・計測で治した
糖尿病と宣告されたのは29年前、私が53歳の頃です。当時国立がんセンター(現国立がん研究センター)研究所の疫学部長として忙しい日々を送っていました。ある日、出張先のホテルの体重計がいつもの77キロではなく72キロを指しているのに気づ...
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米・英・日と続々発表される「糖尿病は治る」論文
糖尿病の寛解を報告した研究データは日本だけではない。そもそも、糖尿病が寛解することは1990年代から指摘されている。 2型糖尿病を有する肥満患者に対して、外科的に胃を小さくするバイパス手術を行うと、血糖値の正常化を認めること...
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糖尿病治療を激変させた新たな薬「SGLT2阻害薬」の正体とは? 医師が解説
SGLT2阻害薬というのは、尿へのブドウ糖の排泄を増加させることにより、血糖を低下させる作用を持つ糖尿病治療薬です。日本では2014年から次々と発売され、今では5種類以上が使用されています。 この薬は最初それほど注目されませ...
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糖尿病治療の最新ゲームチェンジャー「GIP/GLP─1受容体作動薬」はどんな薬なのか?
今年4月、世界初の持続性GIP/GLP-1受容体作動薬、チルゼパチド(商品名:マンジャロ(R))が発売されました。 GIPとはグルコース依存性インスリン分泌刺激ポリペプチド、GLP-1とはグルカゴン様ペプチド-1と呼ばれる物...
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糖尿病患者が治療を中断すると何が起こる? ドイツで新タイプの治療薬輸出禁止の動き
ドイツの連邦医薬品医療機器審査局(BfArM)が、デンマークの製薬大手ノボノルディスクの2型糖尿病治療薬「オゼンピック」(一般名セマグルチド)の輸出禁止を検討しているという。背景には、新たなタイプの2型糖尿病治療薬に大きな減量効果が...
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30年ぶりの肥満薬の正体は2型糖尿病用注射薬…11月22日から公的保険の対象に
肥満に苦しむ人に朗報だ。11月22日から約30年ぶりに肥満症の新薬「ウゴービ®」(ノボノルディスクファーマ社、皮下注射薬)が本格的に医療現場で使われることが決まった。既に今年3月、肥満症の薬として承認されていたが、厚労相の諮問機関で...
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糖尿病の高齢者は「肉」を食べても大丈夫? 赤身肉はリスクというけれど…
高齢者は自然と筋肉量が減るから意識して肉を食べるべし──。近年こうした医療情報が新たな医療常識として流れている。ところがその一方で、豚や牛などの赤身の肉は糖尿病の発症リスクを上げるとの情報もある。どうしたらいいのか? 糖尿病専門医で...