著者のコラム一覧
荒川隆之薬剤師

長久堂野村病院診療支援部薬剤科科長、薬剤師。1975年、奈良県生まれ。福山大学大学院卒。広島県薬剤師会常務理事、広島県病院薬剤師会理事、日本病院薬剤師会中小病院委員会副委員長などを兼務。日本病院薬剤師会感染制御認定薬剤師、日本化学療法学会抗菌化学療法認定薬剤師といった感染症対策に関する専門資格を取得。

【アンチバイオグラム】感染症の治療に役立つ情報が分かる

公開日: 更新日:

 前回、細菌の培養検査についてお話ししました。では、「アンチバイオグラム(Antibiogram:抗菌薬感受性率表)」という言葉を聞いたことがあるでしょうか?

 ある施設において、一定期間に分離された微生物の各種抗菌薬への薬剤感受性率を表の形式にしたものです。この表を見ると、ある特定の感染症の原因菌としてどのような菌が多いのか、検出された細菌にどの抗菌薬が効くのか、効かないのか……などの情報が得られます。

 前回お話ししたエンピリック(経験的)治療においても非常に役立ちます。たとえば、入院されていない一般の方が罹患する尿路感染症の原因菌は70%以上が大腸菌であることが知られているのですが、この大腸菌についてどの程度の確率で耐性菌が出てくるのかは地域によって異なります。

 昨今、大腸菌ではフルオロキノロン系抗菌薬に対する耐性菌が問題となっています。施設や地域において、どの程度の確率でフルオロキノロン耐性菌が検出されているかが分かると、初期治療で使用する抗菌薬も変わってくるのです。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    西武ならレギュラー?FA権行使の阪神・原口文仁にオリ、楽天、ロッテからも意外な需要

  2. 2

    家族も困惑…阪神ドラ1大山悠輔を襲った“金本血縁”騒動

  3. 3

    9000人をリストラする日産自動車を“買収”するのは三菱商事か、ホンダなのか?

  4. 4

    兵庫県知事選・斎藤元彦氏の勝因は「SNS戦略」って本当?TV情報番組では法規制に言及したタレントも

  5. 5

    小泉今日子×小林聡美「団地のふたり」も《もう見ない》…“バディー”ドラマ「喧嘩シーン」への嫌悪感

  1. 6

    国内男子ツアーの惨状招いた「元凶」…虫食い日程、録画放送、低レベルなコース

  2. 7

    ヤンキース、カブス、パドレスが佐々木朗希の「勝気な生意気根性」に付け入る…代理人はド軍との密約否定

  3. 8

    首都圏の「住み続けたい駅」1位、2位の超意外! かつて人気の吉祥寺は46位、代官山は15位

  4. 9

    兵庫県知事選・斎藤元彦氏圧勝のウラ パワハラ疑惑の前職を勝たせた「同情論」と「陰謀論」

  5. 10

    ロッテ佐々木朗希は母親と一緒に「米国に行かせろ」の一点張り…繰り広げられる泥沼交渉劇