文庫で読む 警察小説
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「福家警部補の挨拶」大倉崇裕著
物語の出だしで犯人がわかっているミステリーを倒叙ミステリーという。その嚆矢はフリーマンの「歌う白骨」(1912年)とされている。以後、クロフツの「クロイドン発12時30分」、ハル「伯母殺人事件」、ア…
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「駆けこみ交番」 乃南アサ著
現在交番には「KOBAN」というローマ字が掲げられ、いまやSUSHIなどと同様にKOBANも国際語となった。交番システムは日本独特のものだが、1983年にシンガポールが日本に倣ってKOBAN制度を導…
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「ストロベリーナイト」 誉田哲也著
竹内結子が突然の死を遂げてから2年。彼女の出演作品の中でも異彩を放っているのは、初の刑事役に挑んだ〈ストロベリーナイト〉(テレビ・映画)だろう。 過去のトラウマを抱えながら、男社会の紅一点と…
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「刑事に向かない女 違反捜査」山邑圭著
英国のミステリー作家、P・D・ジェイムズの「女には向かない職業」(1972年)は、コーデリア・グレイという22歳の私立探偵が活躍する、女性私立探偵ものの先駆けである。「女には向かない職業」とは私立探…
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「脳科学捜査官」真田夏希 鳴神響一著
プロファイリングという言葉が日本で一般的に知られるようになったのは、トマス・ハリスの「羊たちの沈黙」(1988年)からだろう。FBIの訓練生であるクラリス・スターリングに獄中にいる精神科医ハンニバル…
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「アゲハ 女性秘匿捜査官・原麻希」吉川英梨著
〈女性秘匿捜査官・原麻希〉シリーズの第1作。「秘匿捜査官」というと、身分を秘匿して潜入捜査する捜査官のように思ってしまうが、本書の場合は、元捜査1課の刑事である主人公が鑑識課へ異動し、刑事としての才能…
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「女副署長」 松嶋智左著
全警察官に占める女性警官の割合はようやく1割を超えたが、管理職、それも署長や副署長などを担う警視はおよそ3%。近年ではさらに上位の女性警視正も誕生しているが、まだまだごく少数。本書は、その3%という…
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「凍える牙」乃南アサ著
日本の全警察官のうち女性警官の占める割合は、2006年までは5%以下だったが、22年4月現在は10.6%。〈女刑事音道貴子〉シリーズの第1作で、直木賞受賞作である本書が刊行された1996年においては…
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「アナザーフェイス」 堂場瞬一著
「イクメン」が「新語・流行語大賞」のトップ10入りしたのは2010年。その年に刊行されたのが、後に〈イクメン刑事〉シリーズとも称されるようになる〈アナザーフェイス〉シリーズ第1作の本書だ。シングルファ…
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「孤狼の血」柚月裕子著
暴力団関係を担当するいわゆる「マル暴」刑事は、見た目も言動もほんもののヤクザと見紛うようなコワモテというイメージが強いが、本書に登場するマル暴刑事はそのイメージそのもの。 【あらすじ】日岡秀一…
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「駐在日記」小路幸也著
今年の1~2月にシーズン3が放映された寺島進主演の「駐在刑事」シリーズは、元警視庁捜査1課の敏腕刑事が奥多摩の駐在所へ左遷させられ、地域の住民に溶け込みながら事件を解決していくという人情味ある刑事ド…
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「脇坂副署長の長い一日」真保裕一著
所轄警察の副署長というと、「踊る大捜査線」シリーズの「スリーアミーゴス」の1人、秋山副署長のように、常に署長や本庁の捜査官の顔色をうかがう典型的な中間管理職といったイメージが思い浮かぶが、本書の主人…
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「笑う警官」 佐々木譲著
2002年7月、北海道警察の現職警部が覚醒剤取締法違反と銃刀法違反で逮捕された。その警部は、拳銃摘発において署内で飛び抜けた摘発数を誇っていたが、その実、ヤラセやバーター取引など違法な手段によるもの…
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「メールヒェンラントの王子」金子ユミ著
サイレント末期からトーキー初期のハリウッド映画で一世を風靡したコメディアンコンビとして有名なローレル&ハーディ。チビで皮肉屋のローレルと太って陽気なハーディは容貌も性格も対照的な凸凹コンビだ。 …
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「らんぼう新装版」大沢在昌著
15~16年ほど前、2時間ドラマ枠で、坂口憲二、哀川翔の主演でテレビドラマ化されたのを覚えている人も多いだろう。バディーものの中でも破格の破天荒ぶりが満開。日本の警察小説の枠から大きく飛び出した、大…
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「二度のお別れ」黒川博行著
警察もののジャンルのひとつに「バディーもの」がある。テレビドラマでも「相棒」「あぶない刑事」「噂の刑事トミーとマツ」といったバディーものの人気ドラマが作られている。黒川博行のデビュー作であり、黒マメ…
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「しのびよる月」逢坂剛著
逢坂剛の警察小説というと、先ごろ38年かけて完結した〈百舌〉シリーズが有名だ。警視庁公安部を舞台にしたハードな同シリーズとは対極的なのが本書を第1作とする〈御茶ノ水警察署〉シリーズだ。 【あら…
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「ダブルターゲット 二重標的 東京ベイエリア分署[新装版]」 今野敏著
今野敏といえば、警察小説の第一人者。警視庁強行犯係・樋口顕シリーズ、警視庁捜査一課・碓氷弘一シリーズ、横浜みなとみらい署シリーズ、隠蔽捜査シリーズ等々、数多くの警察小説シリーズを世に送り出している。…
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「陰の季節」横山秀夫著
欧米の警察小説は、組織から外れた個性的な刑事が難事件に挑むといったパターンが多い。日本の警察小説にもその手のものがあるが、警察という巨大な機構の一員としての悩みや矛盾、人間関係などを描いたものが多い…
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「P分署捜査班集結」マウリツィオ・デ・ジョバンニ著 直良和美訳
英、独、仏、北欧に比べて、イタリアのミステリー、警察小説というとあまりイメージがないが、新しいイタリア発の警察小説が登場した。「21世紀の〈87分署〉シリーズ!!」と銘打たれた、シリーズ第1作が本書…