「探偵・竹花 潜入調査」藤田宜永著
■大手企業社長が失踪
探偵・竹花は、訪ねてきた千恵子から書き置きを残して失踪した夫の乙崎を捜してほしいと頼まれる。大会社の社長である乙崎の失踪は極秘にされてきたが、1カ月半が過ぎ、悠長に帰りを待っていられなくなったという。調査を始めた竹花は、乙崎の行きつけのクラブで彼とニューハーフの真代を群馬県O市で見かけたとの情報を得る。O市で真代の消息を尋ね歩く竹花は、何者かに尾行される。たどりついた真代の部屋の周囲にも不審な男の姿があった。ようやく見つけ出した乙崎は、真代との関係をネタにある人物から脅迫されていると打ち明ける。(「ピンク色の霊安室」)
還暦を過ぎた探偵を主人公に描く連作集。
(光文社 1600円)